2023年8月12日
父の死を知ってからの数日。
私のコロナ自宅待機期間は無事に過ぎたものの、私より6日遅れでコロナを発症した母の状態は不安定そのものでした。
夜に突然血圧が200を超え、頓服薬を試してみても一向に下がらない。
保健所からは、入院先を探しますと言われてからもうすでに3日が過ぎ、かかりつけの大学病院ですら入院を断られ、やむなく救急へ連絡しても電話も繋がらない。
「わたし、このまま死んじゃうのかな。」
つぶやく母を見て、どうすることもできない恐怖に陥りました。
「大丈夫。次の薬を飲んでもいい時間になるまでの辛抱だから。」
なんとかその夜を乗り越え、次の夜を乗り越え、10日を過ぎる頃にはようやく安心して眠ることができるようになってきました。
そんな中、父への思いがいつも心をチクチクと刺しました。
父が眺めていた天井はどんな模様だったのだろうか。
励ましてくれる人はそばにいたのだろうか。
私は本当になにもできなかったのだろうか。
父と母の晩年の人生が、大きく狂ってしまった。
誰とも連絡を取れない環境で、人知れず最期を迎えた父。
大好きな生まれ故郷の家を追われ、身体を壊してしまった母。
姉夫婦とは二度と関わりを持たないよう生きていこうと決めていたものの、寝室の隅に置いてある青い封筒が視界に入るたびに、気持ちの変化を感じました。
もしかしたら私は、一矢報いる最後のチャンスなのかも知れない。