父の病気の発覚

2022年9月1日

体の痛みと心の痛み

建て替えから1年が過ぎ、友達がいつも訪れているような以前の親しみやすい母の家ではなくなっていました。

母と姉の両方から愚痴を聞かされるようになり、たまに行っても薄暗い気分になるような場所に変わっていったのでした。

これは家族間における 建物収去土地明渡請求 の記録です。


家の建て替えから1年が過ぎた2014年2月。

朝早く父からの電話がありました。

「脳梗塞かもしれない。自分で救急車を呼んだからあとから来てくれ。」

私は慌てて姉に連絡をし事態を伝えました。

私が今から病院に向かうと伝えると、「お前は病院に行かずに自分の会社に行け」と言われました。

なぜそういうのかわかりませんでしたが、私はここでも逆らうことなく自分の会社に向かってしまったのでした。

会社に着いてすぐに、会社に来てる場合じゃないと思い立ち、そのまま病院に向かいました。

幸いにも父の病状は軽く、1週間ほどで退院しましたが、一人暮らしさせておくのは心配でした。

こんな時のために家を建て直したのではないか。

建て直した家に父を連れて行き、1週間ほど療養させてほしいと頼んだところ、姉からの答えは 連れて帰れ でした。

私は介護の手続きを進め、日中はヘルパーさんの手を借り、なるべく父の実家に通いました。

同年5月。

父の持病の腰痛が悪化し、病院に連れて行ったところヘルニアの手術を勧められました。

このときも術後の療養をさせてほしいと姉に頼みましたが、答えはやはりNoでした。

同年9月。

父に胃がんが見つかりました。ステージ3Aと言われました。

私は東京で手術できる病院を探しながら父のことを姉に伝えると、珍しく姉の家の方にあるがんセンターで手術を受けさせようと提案されました。

退院後は建て直した家でしばらく療養すればいいと言ってくれました。

父が死んでしまうかもしれない恐怖と一人で病院を探さなければならない心細さが晴れた気がしました。

やはり姉も親が心配なのだと、少しホッとしたことを覚えています。

父の検査入院を控えた数日前、姉から電話がありました。

父の退院後、建て直した家での療養には毎月の生活費を入れてほしいということでした。

私は必ずその話になると思っていたので、父には毎月5万円を姉を渡すように伝えてありました。

父は「何のために家の建て直しに大金を払ったんだか」と少し愚痴を漏らしましたが、私は「世話になるんだから当たり前だよ」となだめました。

姉からの電話に私は「5万円を入れる準備はできている」と伝えると、「5万円じゃ足らない。もっと出せるだろう」と言ってきました。

このとき私は、気持ちを抑えられず初めて言い返してしまったのでした。

「検査もまだ終わっていないのに、今そんなことを話す時じゃない」

このあとの会話にならない姉の発狂ぶりは大変なものでした。

なにを言ってるのかあまり聞き取れませんでしたが、最後に父の面倒はもう見ない、お前のせいだ。と言って電話は切られました。

やってしまったという思いと、私はなにも間違ったことを言っていないという思いがせめぎ合いながら、これからどうすればいいのか、その日は眠れませんでした。

それでも検査入院の前日には、姉夫婦が父を迎えに来て連れて行ってくれたようでしたが、手術の日を待たずにまた東京の自宅に送り返されてきました。

父に聞くと、検査入院が終わり、建て直した家に行くと、姉の夫が「ここにいても退屈でしょうから今から東京へ送ります」と言って連れてこられてしまったとのことでした。

あれほど立派な父専用のリビングと部屋があるのに、ここに来てもなにかしらの理由をつけて父の滞在を嫌がる理由がわかりませんでした。

その後姉は、父とのメールのやり取りでも面倒を見る見ないの言い合いが起こり、2人の間も険悪になってしまったのでした。

手術の前日に姉は迎えに来てくれるのだろうか。

やはり東京の病院にしておけばよかった…

後にも先にも進めない状態で不安ではありましたが、父の体に障るといけないと思い、私が今の状況を口にすることはありませんでした。

手術入院日2日前。

1日待っても姉からの連絡はありませんでした。

父が電話しても、姉が電話に出ることはありませんでした。

父の不安そうな顔にかける言葉が見当たりません。

父を連れて高尾山にお参りに行き、私は父に「明日は私が連れて行くから大丈夫だよ」と伝え、翌日父を建て直した家に連れて行ったのでした。

明日姉にあったら謝ろう。

お父さんを助けてほしいとお願いしよう。

心の中ではなにに対して謝まればいいのか、理由を探しながらとにかく父の治療を優先しなければならないと強く思うのでした。

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